課題
kintone導入から数年経過しアプリに蓄積された情報を活用するニーズが定常化
ジーベックテクノロジーの事業
株式会社ジーベックテクノロジーは、独自開発のセラミックファイバーを研磨材に使ったブラシをはじめ、バリ取り・研磨分野で技術革新を牽引してきた企業だ。自動車、航空機、医療、宇宙といった精密加工が求められる分野で、欧米・アジアのグローバル企業の量産ラインに採用されている。
切削加工機(マシニングセンタ)にバリ取り用のブラシを取り付けてバリ取りを自動化するだけでなく、無人で24時間稼働する工場などにもツールやサービスを展開する「バリ取りのスマート化」に取り組んでいる。また、ツールを購入した顧客が「どう使えばよいか」を自分で考える負担を減らすため、加工したい部品の仕様から最適なバリ取りプログラムを設計・提供するサービスを展開するなど新しい発想でものづくりの現場を支援している。
kintone導入時の課題と背景
同社はかつて、Webフォームからの問い合わせ対応や営業の活動管理のためにCRM/SFAツールを導入していた。しかし機能が多すぎて営業担当者の入力負担が大きく定着に課題があった。そこで必要な項目だけを入力、管理できるような基盤としてノーコードツールのkintoneを導入。今では全部署が利用する全社的な業務基盤となっている。
krewシリーズ導入前の課題
業務基盤としてkintoneを数年運用するうちに社内に定着。各部署で必要なアプリが充実し、情報が厚く蓄積されるようになると、次に顕在化したのが、溜まったデータをどうやって活用するかだった。
「必要なアプリからデータをダウンロードし、Excelを使って分析することが増えてきました。この一連の作業が定常的な業務になってきたため、さらなる業務効率化につながる環境づくりが期待されたのです」と本堂氏はkrewシリーズ導入前の課題を語る。


選定
複数アプリの情報集計ニーズが急増、誰でも使える環境づくりに必要だったkrewシリーズ
外注でのアプリ改修頻度と要する時間
同社では、kintone標準機能で対応できない部分は外部の開発会社に依頼してきた。しかし、複数のアプリをまたいでデータを加工・集計する用途が急増するなかで、外注では追いつかなくなってきたため、誰でも使えるツールとしてkintone環境を整えるべきだと判断。
「数件ならその都度外部に開発をお願いしてもよいのですが、5件、10件と要望が増えてくると自分たちで開発できる環境を整えたほうが早いし、業務の変化にも柔軟に対応できるので、何か使えるプラグインがないか検討してみることにしたのです」と本堂氏。
そこで注目したのがkrewシリーズだった。
自分たちで使いこなせるかどうかセミナー動画を見ながらkrewDataを試す
「Excelライクな使い方ができるkrewSheetの存在は以前から知っていました。多くの業務にExcelが使われているのでいつか適用できる案件があれば導入したいなと考えていましたが、複数アプリにある情報を自動集計する処理にはkrewDataが良さそうだと思ってまず試してみることにしました」と本堂氏。
実際にオンラインセミナーの動画を参考にkrewDataを使ってみると、本堂氏を含む担当メンバーが問題なく使いこなせることがわかった。さらに、データの集計だけでなく分析・可視化まで一貫したいとの思いもあり、krewDashboardについても合わせて契約。krewSheetについてはExcelの操作性に馴染んでいる社員も多く、当初から機会があれば導入したいと考えていたので、社内稟議が通りやすいこのタイミングで採用を決定した。
活用
kintone効率化に貢献するkrewシリーズがデータ活用を加速させる
kintone活用の全体概要
現在は、リソース&エンパワーメント部含めた全ての部署でkintoneの活用が進み、テスト環境も含めて600を超えるアプリが運用されている。開発権限はそれぞれの部署が持っており、部署ごとのスペースで自由にアプリを作り、運用している。
用途は顧客管理・案件管理・勤怠管理・採用管理といった業務系から、経費申請・請求書処理といった全社共通業務、さらには忘年会の出欠確認や朝夕のあいさつスレッドまで、実に多岐にわたる。kintoneが業務基盤であると同時に、社員同士のコミュニケーションの場としても定着している。それでは具体的な活用例を見ていこう。
krewData活用例:給与計算のために複数のアプリにある勤怠情報の集計を自動化
同社では社員ごとの勤怠データを社労士事務所へ提供し、給与計算業務を委託している。これまではkintoneアプリから勤怠実績や休暇申請、社員情報など複数のデータをExcelに出力して集計し、給与計算用データを作成していた。しかし、手作業による集計は工数が大きく、課題となっていた。そこでkrewDataを活用し、社員マスタ、勤怠打刻情報、各種申請データ、祝日設定データを突合して、時間外労働時間や休日出勤、遅刻・早退、有給休暇の取得状況などを自動集計。給与計算に必要なデータを効率的に作成できる仕組みを構築した。これにより、社労士事務所へのデータ提供を迅速かつ正確に行えるようになり、給与計算業務全体の効率化と労務管理の精度向上を実現している。

krewData活用例:社員の給与予測をkrewDataで算出し、人材獲得に必要な検討資料
社員マスタや給与データを活用し、将来の昇給や各種手当を反映した給与予測データを自動作成する仕組みをkrewDataで構築した。従来は将来の人件費を見通す仕組みがなかったが、krewDataの導入により将来の給与総額をシミュレーションできるようになった。これにより、人材獲得や組織拡大に必要な予算規模を検討する資料として活用している。
krewData活用例:見込み客問い合わせ情報を商談履歴と自動紐づけ
他にも、Webの問い合わせフォームからクラウドストレージに格納された見込み客の情報をkrewDataの外部連携機能を使ってkintoneに取り込み、商談履歴情報と紐づけを行っているそうだ。
krewDashboard活用例:売上分析を可視化
製品群別の予実対比グラフや詳細な数字がわかる売上分析アプリをkrewDashboardで可視化している。海外展開も積極的に行っている同社では、海外の地域別の売上の経年推移などがわかるダッシュボードもある。また、社員の給与・賞与支払統計などにも活用しているそうだ。
「グラフを作成したりする分析には、Excelを使う場面も少なくありませんが、毎月定例で発生するような帳票はkintone内のkrewDashboardにて示していくことが増えてきています」と本堂氏。

krewSheet活用例:特別注文の受注管理票でバリ取りの詳細要件を管理
特注案件ごとに発生する加工条件を管理するため、krewSheetを活用した「特注プログラム受注管理表」を構築した。特注品では部品ごとにバリ取りを行う箇所や加工条件が異なり、案件ごとに詳細な指示内容を管理する必要がある。同社では受注情報を親レコードとして管理し、関連シートを活用して部品ごとの加工指示やバリ取り要件を明細形式で登録できる仕組みを整備した。これにより、案件ごとに異なる複雑な加工条件を一元管理できるようになり、製造現場への指示伝達の効率化と情報共有の精度向上を実現している。

効果
数時間作業がわずか15分、業務の効率化および自動化にkrewシリーズが大きく貢献
krewシリーズを導入したことで、各部署での業務効率化および自動化に貢献しているが、例えば本堂氏が実施している給与計算のための勤怠情報の集計は、毎月Excelで数時間かかっていたものがわずか15分ほどで作成できるなど、定量的な効果はさまざまな場面で得られていると高く評価する。
「クラウドストレージから顧客情報をkintoneに取り込んで商談と紐づけるkrewDataのプロセスでは、これまで手作業だったため手間がかかり、週1回の作業が限界でしたが、今は毎日自動で取得できるため、商談履歴ときちんと紐づけることで営業フォローしやすいと営業部門から聞いています」と本堂氏。情報が自動的に紐づけられることで、営業機会の損失低減にも貢献しているという。
また、過年度の売上遷移などkintone内に蓄積された情報をkrewDashboardで見える化できたことで、経営判断面にも貢献。Excelの手集計でその都度分析する状況から脱し、さまざまな状況判断の迅速化にも役立っているそうだ。
krewシリーズに関しては、利用例やデモアプリ、学習用ドリル、ヘルプなど情報が豊富で、やりたいことが実現できると使い勝手の面でも好評だ。
「ヘルプやドリルなど公式サイトの情報で大体設定できてしまいます。分からないことは技術サポートに問い合わせることで、こちらがうまく言語化できていなくても解決策を複数ご提案いただけるなど。とても丁寧な対応で助かっています」と本堂氏は評価する。
メンバーに教育する際にも学習コンテンツを共有するだけで済むなど教育面でも負担も軽減できているという。

今後はkrewDataの外部連携機能で基幹システムと連携して二重管理を解消したい
同社では、今後kintoneと基幹システムを連携させて今後も積極的にkrewシリーズを業務に生かしていきたいという。
「krewDataが持つ外部連携などの機能を使って、基幹システムとして運用している販売管理システムと売上データを同期させるなど、二重管理の部分をうまく解消できればと考えています」と本堂氏。
また、情報メンテナンスが発生しやすい業務については、ExcelライクなkrewSheetをもっと活用して現場の入力負担を削減したり、krewDashboardで各部門のKPIの可視化を強化したりするなど、今後もkintoneとkrewシリーズの活用を広げていきたいと意欲を語っていただいた。


