導入事例

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リーグル株式会社

業種:
情報通信業

利用用途:
SFA、CRM、リード管理、活動管理

使用製品:
krewSheet

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事例公開日:2022年7月24日

※ 事例記事の内容や所属は取材当時のものです。

kintoneでも脱Excelできない業務を完全に解消。Excelの使い勝手をクラウドで再現できるkintoneプラグイン「krewSheet」

BtoBにおけるマーケティングや新規営業分野に特化した事業を展開するリーグル株式会社では、多岐にわたるExcel業務や顧客管理として活用してきた営業支援システムをサイボウズ株式会社が提供するビジネスアプリ作成プラットフォーム「kintone」によって刷新し、kintoneプラグインである「krewSheet(クルーシート)」を合わせて活用することで、業務における脱Excelに成功している。

kintoneおよびkrewSheet採用に至った背景やその効果について、代表取締役社長 野路 祐太郎氏にお話を伺った。

【課題】
大きな課題となっていたSFA/CRMパッケージとExcel業務

複数人で行うExcel業務の限界

BtoBセールス・マーケティング支援実績を持つセールスクラウドのリーディングカンパニーとして、主にIT・テクノロジー関連の業界に強みを持つリーグル株式会社。ターゲティングから顧客接点構築、ナーチャリングまで含めたリード獲得活動を通じて、質の高いリードを顧客に提供するサービスを提供。新規案件の獲得から展示会フォローの充実、営業マンパワーの強化、代理店の開拓および活性化など、新事業立ち上げから売上までを短期間に実現するためのセールス関連サービスを展開しており、スタートアップの営業支援をクラウド的なサービスとして活用できるインフラを整備している。

そんな同社では、さまざまな顧客のセールス・マーケティング支援を行っている関係上、個人情報や機密情報を含む獲得したリードを統一した仕組みに格納することが難しく、アプローチするためのターゲットリストの受け渡しおよびアプローチ結果の報告にExcelを用いてきた。しかし、Excelでの運用について課題が顕在化していたという。

「数万件あるExcelデータに複数人同時にアクセスしてしまうと、ファイル自体が固まってしまうことも。そこで、担当者ごとにExcelデータを分割して各自アプローチを行い、営業時間が終了した後にExcelを結合し直して集計するというやり方を続けていました。一日の業務が終わった夕方からの集計作業で終了時間が遅くなるだけでなく、作業そのものにも手間がかかっていたのです」と野路氏は当時を振り返る。

ファイルの分割と統合
担当者ごとにファイルを分割し、更新後に統合
[柔軟性が求められる業務に適したシステムを模索]

同社では、顧客から提供されるリストだけでなく、独自の顧客リストを収集・保有しているが、この顧客DBは当初Microsoft Accessにて管理されてきた。しかし、使い勝手を向上させるためにSFA/CRMパッケージに乗せ換え、運用してきた経緯がある。この環境についても刷新が求められていたのだ。

「顧客の要望に応じてヒアリング項目を追加・変更することが頻繁にあり、カスタマイズが必要な場面も少なくありません。しかし、裏側でDB同士が連携しているため、項目追加のような簡単なカスタマイズを行うだけでも外部パートナーにその都度依頼し、対応に数か月かかることも。ビジネスの変化に対応しづらい、融通が利かない状態が続いていたのです。毎月発生するサブスクリプションライセンスが高額な面も解消したかった」と野路氏。

そこで、営業活動に必要だったExcelや営業支援の基盤を新たなものに刷新するプロジェクトが動き出すことになる。

【導入】
脱SFA/CRMパッケージを可能にするkintone、脱Excelを具現化するkrewSheet

[Excel同様の使い勝手や視認性の高さが求められる]

実は同社では、以前からGoogleが提供するG Suiteを契約しており、Excelの代わりとしてGoogleのスプレッドシートを検討したこともあったと野路氏。
「G SuiteはAI技術や音声データのテキスト変換といったさまざまなサービスと連携できるプラットフォームですが、顧客DBや担当者DBなど複数のDBを連携させて使うといった活用にはあまり向いていません。あくまでExcelの延長でしかなく、Microsoft Excel Onlineに近い。我々にとって使い勝手のいい仕組みとは言えなかったのです」。複数人での同時編集などに向かないExcel Onlineでも野路氏の望むシステムにはなり得なかったという。

そこで、サイボウズが提供するkintoneに着目し、従来のExcel運用が置き換えられるのか、野路氏自身が営業活動に必要なアプリを開発し、トライアルを開始したところ、SFA/CRMパッケージで行われてきた業務の置き換えは可能だと判断。しかし、Excel業務の置き換えについては現場からは否定的な意見も出ていた。「確かにkintoneは使いやすいものの、データを追加したり修正したりするには編集ボタンをクリックするといったプロセスを経る必要があります。シートの一覧性や視認性の面でも、従来のExcelのほうに慣れてしまっていたのです」と野路氏。

リーグル株式会社 代表取締役社長 野路 祐太郎氏
野路 祐太郎様
リーグル株式会社
代表取締役社長

実は、サイボウズが無償で提供している「kintoneスプレッドシート」プラグインも存在していたが、Excelっぽく見えるだけでExcelのようには使えないものだった。通常のExcelで業務を行う場合に比べて、kintoneでの運用では最大で3割ほど業務効率が落ちる場面もあったのだ。現場からも厳しい声が上がり、結果としてExcelでの業務に戻らざるを得ない状況に陥ることになる。

[kintoneの魅力を最大限に引き出すkrewSheet]

そんな折に野路氏の耳に入ってきたのが、グレープシティ株式会社が提供するkintoneプラグイン「krewSheet」だった。実は同社のグループ会社との関係で偶然kintone上でExcelのように活用できるプラグインがあるという話を聞きつけたのだ。そこで現場にkrewSheetを導入したところ、従来のExcel同様の使い勝手が確保できるようになり、進まなかった現場への展開が一気に加速。「現場からは“まさにこれを待っていました”と高く評価されたのです。krewSheetであれば、生産性を落とすことなくクラウド環境に基盤が移行でき、集計作業など負担も軽減できる営業活動の基盤になると判断しました」。

結果として、kintoneが同社の業務基盤として採用され、さらにkintoneの一覧画面をExcelのように表示、編集できるようになるプラグイン「krewSheet」が同社の営業活動を強力に支援する業務基盤として採用されることになった。

【効果】
コスト削減とともに働き方改革を推進

[10分の1までコスト圧縮、年間400時間の時間削減を可能に]

現在は、野路氏も含めたおよそ30名の従業員がkintoneおよびkrewSheetを活用しており、サービスの中心となる営業活動を行うためのリスト表示にkrewSheetを使い、Excelのような使い勝手を維持したまま業務を行うことができるようになった。また、SFA/CRMパッケージにて運用してきた自社の顧客DB管理についても、今ではkintoneに置き換えを実施している。

他にも、社内向けポータルの提供をはじめ、ファイルサーバ内の教育資料の共有、給与テーブルの可視化、人事評価、社員名簿、IT部門の資産管理、現場への教育のための回答形式のeラーニングコンテンツの作成など、kintoneを活用することでシステム化およびクラウド化できていなかった業務への対応が可能になっており、「お客さまから提供されるアプローチリスト以外は、社内にExcelファイルはほどんど残っていない。正直krewSheetがなければここまでkintoneを使いきれなかった」と野路氏は評価する。

当初課題だったSFA/CRMパッケージに関するコストも、kintoneへ変更したことで10分の1程度に圧縮することに成功。また、作業しやすいよう担当者ごとに分割したExcelの集計作業は年間で400時間あまりを削減できるようになり、長時間労働削減に向けた働き方改革の一助となっている状況だ。「これまでもVPNを経由して社内にアクセスすれば在宅勤務での業務の可能でしたが、今ではkintoneにさえアクセスできれば、セキュアな環境でどこからでも業務ができるようになりました。使い勝手をkrewSheetで維持できたことで外部からでも負担な業務が遂行できる。事業継続の意味でも効果は大きい。」と野路氏は評価する。

kintoneとkrewを活用することで業務時間を10分の1に圧縮
kintoneとkrewを活用することで業務時間を400時間削減
krewSheetでExcel時代の使い勝手のまま、活動内容をkintoneに直接入力できるようになった。
krewSheetでExcel時代の使い勝手のまま、活動内容をkintoneに直接入力できるようになった。
[Excelの再現性を高めたkrewSheetが脱Excelを推進]

krewSheetの魅力については、汎用性の高いkintone上でまさにExcelのような使い勝手を実現できるという点だろう。「Excel同様にデータ編集しやすく、かつ従来のExcelではできない外部連携などが容易に実現できます。既存の業務フローが踏襲できるのが何よりも大きい」と野路氏は評価する。また、現場の要望に応じて機能改修などを進めており、その迅速な対応にも評価の声が上がっている。「ユーザーの意見を聞いてそれを迅速に反映してくれている面でサポートについても満足しています。他にプラグインを使っていますが、他社に比べてもきちんと意見を聞いてくれる。krewSheet自身がいい製品で、かつサポートもいいのはとてもありがたい」と野路氏。

現在は勤怠管理や経費精算、ワークフロー、採用管理システムといったさまざまなクラウドサービスを活用しているが、今後はkintoneとそれぞれAPIを通じて連携させることで、クラウドシステムのハブとしてkintoneが活用できるような環境を整備したい考えだ。「我々はRPA関連のグループに属しているため、kintoneにデータ投入する部分にRPAを使って業務効率化を図るといったことも検討しています。社内はもちろん外販にもつなげていきたい。そのなかでExcelの使い勝手が必要な場面に、krewSheetを活用していきたい」と野路氏。最後に、「Excelが業務に深く根付いているのは、ある意味Excelが優秀だからこそ。この業務を置き換えるのはとても困難でしたが、krewSheetのおかげでようやく置き換える目途が立ちました。脱Excelを可能にしたのは、まさにkrewSheetがあるからこそ。」と野路氏に語っていただいた。