導入事例

約1週間かかっていた予実管理の集計を1日未満に短縮。
krewシリーズで新築の戸建て、賃貸マンション、分譲マンションの営業案件データを横断集計

北海道ガス株式会社

部門全社
利用用途予実・会計・経理
製品krewSheetkrewDatakrewDashboard
記事の要約

お客様の事業

北海道ガス株式会社は、札幌、小樽、千歳、函館、北見の各地区で都市ガス事業を展開し、北海道全域で電力を供給する総合エネルギーサービス企業です。「安全・安心・安定供給」を第一に、北ガスグループ経営計画「Challenge 2030」の達成と、カーボンニュートラルを展望した取り組みを進めています。

どんな業務に活用?

  • 新築の戸建て、賃貸マンション、分譲マンション向けのガス機器の営業案件管理
  • 営業部門が所管する予算・実績の月次集計と照合
  • ハウスメーカー別の目標・受注実績と営業活動の振り返り

課題

  • ガス機器は新築の戸建て、賃貸マンション、分譲マンションで項目が異なるため、3つの案件管理データを営業企画部門の指定フォーマットへまとめる作業が必要だった
  • 毎月の部門予算と実績をExcelで管理しており、年度をまたぐ案件の重複や表記揺れにより、集計・分析に多くの労力がかかっていた
  • 部門予算では予算にない科目の実績が集計から漏れ、合計が合わない原因を複数のシートとフィルターで探していた

krew活用のポイント

  • Xrossモードで科目別・月別の予算と実績をクロス集計
  • 予算未設定科目の実績も表示し、集計値から明細を確認できるようにした

  • 新築の戸建て、賃貸マンション、分譲マンションの物件管理表アプリから必要項目を取得し、項目名や形式をそろえて結合
  • 営業成績の月次報告用データと月末時点のバックアップを作成する
  • 受注実績と目標、活動計画、活動履歴をハウスメーカー別などで比較できるデータに加工

krewDataで加工した受注実績と目標、活動計画、活動履歴をハウスメーカー別・商品別・月別などで可視化しグラフ表示する

効果

部門予算の予実集計

1週間→1日未満で完了

営業実績報告

月3時間→10分で完了

部門予算の予実集計は約1週間から1日未満へ短縮。月3時間ほどかかることもあった営業実績報告も10分程度で完了し、過去3年程度の同月比較や数値根拠の確認も容易になりました。

業務変化

  • 年度別Excelを横断して案件を集計していたが、新築の戸建て、賃貸マンション、分譲マンションの各アプリから営業成績を自動集計できるようになった
  • 予算にない実績科目を手作業で探していたが、Xrossモード上で該当科目と明細をすぐ確認できるようになった
  • 集計のたびに数字が変わり根拠確認が難しかったが、月末時点の物件管理データを保存し、後から数値の根拠を確認できるようになった
  • 新築の戸建て案件では、ハウスメーカーごとの受注実績と、目標・活動計画・活動履歴が比較できるようになり、施策検討に活用できるようになった

北海道内で都市ガスや電力を供給する北海道ガス株式会社では、新築家庭用営業部門の案件管理や部門予算の管理にExcelを利用しており、営業成績の集計や予算・実績の照合に多くの時間を要していた。そこで業務プラットフォームとしてkintoneを導入し、krewシリーズを活用。krewSheetによる部門予算の管理、krewDataによる複数の案件管理アプリを横断した営業成績の集計、さらにkrewDataとkrewDashboardを組み合わせた目標と受注実績の可視化に取り組んでいる。その導入経緯と活用について、第二営業部 リビング開発グループ 川上 史氏および同グループ 堀 美香氏に話を聞いた。

課題

Excelに依存した集計・照合作業を見直し、データ活用の基盤整備を目指す

1911年に創立され、都市ガスや電力事業を中心とした総合エネルギーサービス事業を推進している北海道ガス株式会社。札幌、小樽、千歳、函館、北見の各地区で都市ガス事業を展開するとともに、北海道全域で電力を供給している。

現在は「安全・安心・安定供給」を第一に、「エネルギーと環境の最適化による快適な社会の創造」に向けた各種エネルギー事業を手掛けており、2050年以降のカーボンニュートラルを展望しつつ、2030年を中間点と位置付けた北ガスグループ経営計画「Challenge 2030」の達成に向けた取り組みを進めている。

Excelによる営業案件管理が年間1,000件以上、年度をまたいだ集計に課題

同社で新築戸建て住宅や集合住宅などに家庭用のガスシステムを提案する第二営業部では、新築戸建てで年間1,500件を超える営業案件をExcelで管理していた。年度ごとにExcelブックを分けて記録していたため、複数年度にわたる統計情報を集計する作業に多くの労力を要していた。

「住宅工事が年度をまたぐと、複数のExcelに案件が重複してしまうケースがあり、集計して分析するには時間がかかります。表記の揺らぎも含めて間違いが起きやすいため、管理品質を向上させながら集計作業を効率化できる方法がないか考えていました。修正できるのもExcelを管理している人員だけで、属人化の課題もありました」と川上氏

川上 史様第二営業部 リビング開発グループ

部門予算の管理でも、予算と実績の照合に多くの手間

Excelへの依存は、営業案件の管理だけではなかった。営業部が管理する部門予算についても、予算と実績をExcelで照合していた。予算側に存在しない科目で実績が発生すると集計から漏れ、合計が合わない原因を探すために、複数のシートを行き来しながらフィルターをかけて確認する必要があった。特に第二営業部は予算・実績の規模が大きく、独自分類もあるため、それに伴う予実管理・集計業務が大きな負担だったという。

「Excelに情報をたくさん持たせていたため、横に長くファイルサイズも肥大化していました。ファイル共有時の不具合も頻繁でしたし、多数の色分けで逆に情報を判別しにくかったです」と堀氏は振り返る。

全社でDX推進やデータに基づく意思決定が重視されるなか、営業成績や予算の状況を必要なタイミングで正確に把握できるよう、Excelに依存した集計・照合作業を見直し、データベース上で継続的に管理できる環境が求められていた。

選定

複数アプリの集計と現場の使いやすさを両立するkrewシリーズに期待

家庭用分野の案件管理にフィットするシステムを探す

新たな環境づくりにおいて、当初は別部門で導入していた営業支援システムの活用を検討した。しかし、構築や運用後の仕様変更には外部ベンダーの協力が必要になることや、コスト面に懸念があった。

「第二営業部では、新築の戸建て住宅や賃貸・分譲マンションなど、一般住宅向けのガスシステムを扱っています。業務用案件を管理する別部署では営業支援システムを導入していたため第二営業部でも同様に活用できないかと考えました。しかし、受注や工事まで年単位で進捗を管理する業務用案件と違い、一般住宅は早ければ3カ月ほどで工事が終わります。一つの案件を長く管理するよりも、増え続ける案件を効率よく処理・集計できる仕組みが必要でした。小回りが利き、自分たちで開発できる環境が望まれたのです」と堀氏は述べる。

堀 美香 様第二営業部 リビング開発グループ

家庭用分野の案件管理には、小さく始めて自分たちで育てられる環境が求められていたので、「クラウド、ノーコード、お試し」などで情報を調べていたところkintoneが目に止まった。以前、社内の一部でサイボウズOfficeを利用していた事もあり、kintoneの使い勝手は想像できた。内製に適した使いやすさとコスト、月額制で小さく始められる点を評価し、kintoneを軸に業務基盤を整備することを決めた。

戸建て・賃貸・分譲のアプリを横断して集計できる仕組みが必要

当初はkintoneの標準機能だけで運用することを想定していたが、複数アプリの情報を横断して集計する段階で、標準機能だけでは対応が難しいことが分かった。第二営業部が扱う戸建て住宅、賃貸マンション、分譲マンションでは、案件の持ち方や管理すべき項目が異なる。そのため、物件のタイプに合わせて案件管理アプリを3つに分けた一方、毎月の営業成果は、営業企画部門が指定する一つのフォーマットにまとめて提出する必要があった。そこで、複数アプリの情報を効率よく集計できるプラグインを検討した。

白羽の矢が立ったのが、サイボウズ主催の展示会で存在を知ったkrewDataだった。krewDataは、複数のkintoneアプリからデータを取得し、ノーコードで加工・統合できるプラグインである。

「krewDataはデータ編集の流れを視覚的に組み立てられ、各ステップでデータがどのように加工されたかをプレビューで確認できます。実際に試したところ、フロー図を見ながら直感的に設定でき、思い描いていたことが実現できそうだと感じました」と堀氏は当時の印象を語る。

Excelに慣れた現場の入力負担を抑え、入力したデータを見える形で還元

まずkrewDataを採用した同社は、kintoneの利用を現場へ広げるなかで、krewSheetとkrewDashboardも追加した。Excelで管理してきた案件情報をkintoneへ移行しても、操作方法が大きく変われば、現場に利用してもらえない懸念があったためだ。

そこで、Excelに近い操作感で一覧画面からデータを入力・編集できるkrewSheetを導入。kintoneのレコードを一件ずつ開くのではなく、必要な項目を一覧で確認しながら更新できるようにすることで、現場の入力負担を抑え、情報を最新の状態に保ちやすい環境を目指した。さらに、入力されたデータを目標と実績の比較や月別推移などのグラフとして現場へフィードバックし、自部署のデータへの関心やkintoneへのアクセスを促すため、krewDashboardも採用した。

こうして同社は、複数アプリのデータを統合・加工するkrewData、Excelに近い操作感で一覧入力や集計を行えるkrewSheet、蓄積したデータをグラフで可視化するkrewDashboardを段階的に導入。現在は、krewSheetのXrossモードを使った部門予算の管理、krewDataによる営業成績の集計、krewDataとkrewDashboardを組み合わせた目標と発注実績の可視化など、用途に応じて3製品を使い分けている。

活用・効果

krewシリーズで予算管理と営業データの集計・可視化を効率化

64名が利用し、約300個のアプリを現場主導で展開

現在、第二営業部では64名がkintoneを利用し、戸建て、賃貸マンション、分譲マンション、共通業務ごとにスペースを分けて運用している。テスト用を含むアプリ数は294個。中心となる物件管理表アプリでは、見積もり依頼から発注、工事完了までの案件情報を管理する。このほか、建築確認申請のデータを基に失注物件を分析するアプリや、ハウスメーカー別の目標・営業活動を管理するアプリも活用。ETCカードやモバイルWi-Fiの貸出・返却、名刺作成申請など、部内業務の効率化にも利用している。

krewSheetのXrossモードで部門予算の予実集計、1週間かかっていた作業を1日未満に

数ある活用のなかでも、特に大きな効果を上げているのが、krewSheetのXrossモードを使った部門予算の管理だ。第二営業部では、ツール制作費やWebサイト運用費など、部門が所管する予算について、科目別・月別の予算額と実績額をクロス集計し、消化状況を確認している。

予算データは各部門がExcelで作成して業務システムに登録。実績データは社内の業務システムからCSV形式で出力するが、多い月は1,500件にもなり、年間では10,000件を超えた。この情報にチーム名など部門独自の情報を追加。従来は、これらをExcel上で関数を使い突き合わせていたが、予算を設定していない科目で実績が発生した場合、その実績を受け入れる行が存在せず、集計対象から漏れてしまうことがあった。結果として合計金額が一致せず、どの科目が抜けているのかを調べるために、複数のシートを行き来しながらフィルターをかけて確認する必要があった。

「Excelで管理していたころは数字がなかなか合わず、1週間たっても終わらないことがありました。予算側にない科目で実績が上がると、条件に合う行がないため、抜けている科目を一つずつ探さなければならなかったのです」と堀氏。

krewSheetへ移行してからは、予算が設定されていない科目で実績が発生した場合も、Xrossモードの集計結果に表示される。予算のない科目で実績が発生したことをすぐに把握でき、表示された集計値から明細を確認することも可能だ。

堀氏は「予算を設定していない科目でも自動的に追加されるので、予算はないけれど実績が発生しているとすぐに分かります。以前は別のシートを開いてフィルターをかけていましたが、その必要もなくなりました。1週間ほどかかっていた作業が、今では1日もかかりません」とその効果を述べる。

予算と実績の照合作業を効率化するとともに、数字が合わない原因を探す負担も大幅に軽減している。例えば、毎月の数字の変化も一目で確認できるようになことで毎月定額で推移していた科目が、突然跳ね上がったようなときでも、すぐに明細を確認し原因を特定、問題があった場合は直ちに対策を講じることができる。また、科目選択の間違いもひと目で把握し、正しい使い方を周知ができるとのこと。

▲ 部門の予実管理をkrewSheetのXrossモードで設定している画面

▲     設定が適用されたkrewSheetXrossモードの画面

krewDataで3つの案件管理アプリを横断集計、月次報告が数分で完了

krewDataは、戸建て住宅、賃貸マンション、分譲マンションの各案件管理アプリを横断した営業成績の集計に活用している。物件のタイプによって案件の管理方法や必要な項目が異なるため、第二営業部では3つのアプリを分けて構築している。一方、営業企画部門への月次報告では、それぞれの数字を統合し、部門全体の営業成績として指定の形式にまとめなければならない。

そこでkrewDataを使い、各アプリから報告に必要なデータを取得。アプリごとに異なる項目名やデータの持ち方をそろえたうえで結合し、部門全体の実績を集計するフローを構築した。処理は月に一度、設定したスケジュールに沿って実行する。集計結果をCSV形式で出力し、営業企画部門が全社集計に使用するExcelへ反映することで、従来の報告形式を維持しながら、その手前のデータ収集・加工を自動化している。Excelへの反映も含めて数分で完了できるそうだ。

さらに、集計時点の各物件管理表をバックアップ用アプリへ保存している。案件情報は工事の進捗などによって随時更新されるが、月末時点のデータを残しておくことで、後から、なぜこの数字になったのかを確認できるようにした。

「Excelのころは集計するたびに数字が変わり、なぜその数字になったのかをひも解くのも大変でした。正しい、クリアな数字を取れるようになったことが大きいですね」と堀氏。

過去3年程度の同月実績も比較できるようになり、当年度の進捗に問題がある場合も早い段階で把握しやすくなった。集計作業を短縮するだけでなく、状況に応じた施策を早期に検討するためのデータ基盤としても役立っている。

「営業実績報告については、従来チームごとにExcelで行っており、チームによっては集計分類も多く、1ヶ月に3時間程度要していました。集計した数字については、それぞれが報告フォーマットに手入力で転記していたのですがkintone とkrewDataを導入することで数分(集計は一瞬)で実現することが可能となりました」。

krewDataとkrewDashboardで、ハウスメーカー別の目標・実績を可視化

krewDataとkrewDashboardを組み合わせた可視化にも取り組んでいる。第二営業部では「見える化」アプリを用意しハウスメーカーごとに年間・月別の目標や活動計画、活動履歴を入力 、戸建て物件管理表アプリに蓄積された受注実績と比較し、営業活動の振り返りに利用している。

商品・システムごとにデータの持ち方が異なるため、krewDataでそれぞれの目標値と発注実績を取得し、機器分類や対象年月などの情報を付加。ハウスメーカー別、商品・システム別、月別に比較できるデータへ加工し、krewDashboardでグラフ化している。これにより、ハウスメーカーごとのレコード上で、商品・システム別の目標と受注実績、その月別推移を確認できる環境を整えた。

▲見える化アプリに適用したkrewSheetの入力画面

■データを軸に営業の行動変容につなげていくような活動にも期待

データ集計に威力を発揮しているkintoneおよびkrewシリーズだが、蓄積されたデータを営業戦略に生かすことで営業の行動変容につなげていくための活動は道半ばの状態のため、今後はその活動に向けた環境整備に注力していきたいという。

「確かに受注している情報はきちんと取れていますが、その際に営業がどのような行動をとって、どんなアプローチが成果につながっているのかといった行動分析はまだこれから。日報アプリなどを充実させてそのあたりの情報もうまくとっていきたい。失注に対する分析も含めてデータをうまく見える化していくなど、まだまだkrewDashboardが活用できる部分は多い」と川上氏。

堀氏も「krewシリーズでまとめた個社ごとの年間目標や行動計画、活動履歴、定期的な振り返りから課題を抽出して戦略情報や実績情報を掛け合わせてAI分析することにより、次の一手の参考として活用できるよう構築しています。現場の入力情報が深いほど有益な分析ができることをメンバーに実感してもらえると、次の一手の参考としてもっと活用が進むと思うので」と今後の展開についてお二人に語っていただいた。