導入事例

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富士フイルムビジネスイノベーション株式会社様

業種:
情報通信業

利用用途:
ソリューション提案

使用製品:
krewSheet・krewData・krewDashboard

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事例公開日:2020年1月15日

※ 事例記事の内容や所属は取材当時のものです。

情報基盤としてのkintoneを補う強力なツールとして展開
可視化やデータ処理に活躍するkrewシリーズ

複合機を中心とした各種ドキュメントソリューションを提供している富士ゼロックス株式会社※1では、企業向けに展開するソリューション&サービス事業においてサイボウズのkintoneを情報基盤として顧客に提供しているが、kintone内でのデータ活用や可視化のためのツールとして、グレープシティのkrewシリーズを提案に加えている。同社においてkrewシリーズがどんなビジネスインパクトを与えているのか、その実情について販売戦略推進部 販売促進室 4グループ 佐久間 亮氏、中央営業事業部 第一営業統括 第二営業部 営業5グループ グループ長 永井 健之氏、およびシステムエンジニアリング部 オフィスソリューショングループ システムエンジニア 嶋崎 成一氏にお話を伺った。

※1 取材当時の社名。現在は富士フイルムビジネスイノベーション株式会社に社名変更

【課題】情報の活用フェーズにおける可視化、加工処理に課題あり

複合機をはじめとしたオフィスプロダクト&プリンター事業やデジタル印刷機などのプロダクションサービス事業、そして課題解決型のドキュメントサービスやBPOサービス(業務プロセスの役務代行サービス)を提供するソリューション&サービス事業を手掛ける富士ゼロックス株式会社。「“お客様のベストパートナー”へ」をコーポレート・アイデンティティーに掲げ、日本をはじめ、中国やオーストラリアなどアジア・パシフィック地域を販売・サービスの活動地域としてビジネスを展開。価値提供戦略として掲げた「Smart Work Innovation」のもと、顧客の競争力強化や働き方改革といった社会課題の解決を通じて、さらなる成長を目指している。

そんな同社では、2014年よりサイボウズが提供するkintoneを販売会社も含めてグループ全体で取り扱っており、顧客の業務課題を解決するためのプラットフォームとして幅広く活用。数年前に全社展開したSFAにより獲得した営業系の業務ノウハウを生かし、顧客管理や案件管理、日報管理などの情報管理を中心にkintoneの提案活動を行っている。「我々が展開している名刺管理ソリューション“SkyDesk Cards R”と連携する際の親和性が高く、複合機でスキャニングした紙媒体の一元管理に役立つDocuWorksなどのデータハンドリングの部分でもkintoneが積極的に活用されています」と語るのは佐久間氏だ。特に、DocuWorksに保管されたデータに関連した情報管理に効果を発揮しているという。例えば契約書であれば契約満了日などからリマインダーを出すといったプロセス管理の部分でkintoneが活用されている状況だ。

ただし、営業情報を蓄積した後の活用フェーズでは、グラフによる蓄積されたデータの見える化やデータ処理によるレポート作成など、kintone標準では十分でない部分も課題として顕在化していたという。そんな課題に直面した事例として挙げられるのが、社員2,000名を超す物流企業のA社だ。

「営業プロセス改革を目指してSFAをkintoneに切り替えたA社では、役員や営業本部長が参加する予算進捗会議などで必要な日報情報を、多くの時間をかけて集計したうえで資料作成を行っていました。この業務の効率化につながる仕組みが求められていたのです」と永井氏は当時を振り返る。また、手作業での資料作成によって数字が調整されてしまい、経営層に対してダイレクトに伝わりにくいという課題も顕在化していたという。「経営層としては生の数字を直接確認できるよう、報告資料からドリルダウンできるようなものが求められていました。加えて、確度ランクや見積り回数といった情報も含めてトレンド分析が容易に実施できるものも必要だったのです」と永井氏。

中央営業事業部 第一営業統括 第二営業部 営業5グループ 永井 健之様
永井 健之様
中央営業事業部 第一営業統括 第二営業部
営業5グループ

【選定】動的にグラフを変化させるなど、顧客の要望に合致した機能を活用

そこで同社が提案したのが、グレープシティが提供しているkintoneプラグインのkrewシリーズだった。「kintoneに蓄積された情報を、経営層にも分かりやすく可視化できるツールとして注目したのが、検討当時にリリースされたばかりのkrewDashboardであり、手作業による集計を自動化できるkrewDataでした」と嶋崎氏はきっかけについて振り返る。もともと顧客の要望のなかには、事業部という大きなくくりから小さな単位のグループまで階層ごとに行う予算実績管理の情報を詳細に確認できるだけでなく、ドリルダウンで動的に変化させたうえで閲覧できることが求められた。「kintone自体が持つグラフの機能では、簡単な予実管理のグラフは作成できますが、お客様が求めるものはkrewDashboardがないと難しい状況だったのです」と嶋崎氏は語る。

もちろん、階層ごとの予実のグラフを個別に用意することも技術的には可能だが、それには膨大な工数が発生することになる。「部門の数が全体で数百に達しており、その上の階層にまとめたとしても20ほどのグラフが必要です。定期的なメンテナンスも考慮すると、実際の運用に乗せるのは正直厳しい。krewDashboardであれば1つのグラフで動的に変化させることができるため、運用上でも現実的な解として活用できると考えたのです」。

もしkrewDashboardがなければ、Excelによる手作業での提案を余儀なくされるため、そもそもの資料作成の効率化という当初の要望に沿うことができなくなる。「もしkrewシリーズがなければ、kintoneとは違うツールも検討せざるを得ない可能性もありました」と永井氏は振り返る。

結果として、kintoneアプリ内の情報を効率的に加工して集計する際にkrewDataが、経営層が会議で利用するための情報可視化ツールとしてkrewDashboardが採用され、A社での営業プロセス改革に大きく貢献することになる。

システムエンジニアリング部 オフィスソリューショングループ 嶋崎 成一様
嶋崎 成一様
システムエンジニアリング部
オフィスソリューショングループ

【運用】kintoneだけでは負担のかかるデータ処理、可視化を柔軟に実現

データの加工処理にkrewData、可視化にkrewDashboardが活躍

kintoneを基盤に営業プロセス改革を実施したA社では、情報管理の基盤としてkintoneを中心に置き、krewDashboardを使って詳細な階層までの予実の可視化を実現、それらのグラフ作成に必要な処理をkrewDataにて自動化することに成功。詳細な予実管理情報が階層ごとに会議内で簡単に共有できるようになり、手作業で行ってきた加工処理もなくなることで業務効率化にも貢献するなど、現場からは評価の声が上がっている。

A社の事例は、グループ内でkintone導入を推進しているメンバーからも注目の事例になっており、krewシリーズ自体に触れたことのないkintone導入推進者の啓蒙活動にも大きくつながるものになるはずだと嶋崎氏は期待を寄せている。「営業とともに行う提案活動のなかでは、基幹システムのデータを上手に活用したいという案件は少なくありません。グループ内からは、krewDataを使ってkintone内のデータ処理が自動化できないかという相談が私のもとに寄せられることも。この事例を足掛かりに、kintoneに持たせたデータの加工処理にはkrewDataを、そしてグラフなどを用いた可視化にはkrewDashboardを、という流れが広がってくるのではと考えています」。
営業側でいえば、kintoneだけでは満たせない要件がある場合でも、お客さまの課題に合わせて提案できる幅が広がった点を高く評価している。「データの加工処理や可視化に関する競合他社の製品に比べて価格的な競争力があり、お客さまへも負担なく提案できるため助かっています」と永井氏は評価する。

プラグイン化によってQCDにおいて大きなメリットを得られている

もともとkintone自体は、JavaScriptによるカスタマイズで機能を拡張できるプラットフォームになっているが、krewシリーズのようなプラグインを柔軟に活用することで安定した品質が担保できるようになり、メンテナンス面においてもメリットが大きいと嶋崎氏は力説する。「A社の案件ではサブテーブルも含めたアプリ間のレコードのコピーが必要だったため、当初はその機能を個別開発したのですが、どうしても開発に時間がかかるうえ、メンテナンスも必要。しかし、その後krewDataがサブテーブルにも対応したため、そちらに移行しました。データの整合性や品質面からも安心してご利用いただけています。SE全体としては、なるべく個別に開発せずに、品質の高いプラグインを活用していく方針です」と語る。ソフトウェア開発におけるQCD(Quality:品質、Cost:費用、Delivery:納期)についてメリットが大きいと高く評価している状況だ

運用後のサポートの面でもテクニカルサポートの回答が的確かつ迅速で、ヘルプページ自体も分かりやすくまとめられていると好評だ。「お客さま自身でkrewシリーズに触れるほど、ヘルプが充実しています。我々の方でマニュアルを作るケースでも、お客さまの方からヘルプを見るので大丈夫と声をかけていただくほど。導入支援に関する体制も充実している印象です」と嶋崎氏は販売支援につながるメリットとして評価する。

調査票アプリの導入効果
kintoneプラグインを活用した場合の工数削減効果
プラグイン同士の調整とともに関係性の強化を進めたい

今後については、Excelのようなインターフェースでkintone内のデータが扱えるkrewSheetも含め、krewシリーズを案件のなかで積極的に採用していく計画になっており、そのためにもプラグイン同士の連携も含めた調整について期待を寄せている。「kintoneの提案活動においてkrewシリーズの頻度が高まることが想定されますので、ぜひほかのプラグインを提供しているベンダーとのさらなる連携や調整をお願いしたい」と佐久間氏。

営業としては、成功事例としてのA社から寄せられた評価や意見を生かしていきたいという。「どの企業の経営層にも共通の課題となっているのが、現場から正確な数字がすぐに挙がってこないこと。そんな課題に応えてくれるkrewシリーズだけに、kintoneプラスkrewシリーズの組み合わせはパッケージとして展開しやすくなると考えています。実際の提案では、営業プロセスだけでなく、Excelを活用しているほかの業務にも使えるという声も寄せられており、すでに提案活動を進めている段階です」と永井氏は力説する。

また同社では、kintoneの拡販に向けて各プラグインのライブラリ化を進めており、各ベンダーとの個別ミーティングの中でエンジニアの要望や顧客の声を届けることができるような環境づくりを進めていきたいという。「そんな良好な関係性を持つ意味でも、プラグインベンダーが集まる会合などにも出席させていただき、我々およびお客さまの声を直接届けていきたい」と今後の展望について嶋崎氏に語っていただいた。