導入事例

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SGシステム株式会社様

業種:情報通信業

部署:全社

利用用途:営業管理基盤

使用製品:krewDashboard/krewData

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事例公開日:2023年01月16日

※ 事例記事の内容や所属は取材当時のものです。

営業管理の数字を迅速に可視化することで作業時間を減らし商談対応の充実に寄与。kintone内の情報集計や数字の見える化に大きく貢献するkrewシリーズ

総合物流を担うSGホールディングスグループにおいて、ITを牽引するSGシステム株式会社では、スクラッチ開発された営業管理システムの老朽化に伴って、使い勝手の良いUI/UXの提供と、開発が容易な業務基盤としてkintoneを採用。複数アプリの情報を集約し営業活動の可視化を行うために、krewDataおよびkrewDashboardを活用している。その経緯について、SI第2事業部 金澤 直樹氏、SI第2事業部 グループシステム第3ユニット ラインチーフ 山元宏之氏、そしてジュニアスペシャリストのグエン トウック ジウ ハン氏および包 暁艶(ほう ぎょうえん)氏にお話を伺った。

【課題】グループ横断の営業管理システムをkintoneで刷新、管理帳票の手作業が課題に

SGホールディングスグループにおけるIT統括事業を担う企業として、物流×ITのリーディングカンパニーを目指しているSGシステム株式会社。グループのIT戦略立案からシステム設計開発・保守運用までさまざまな活動を行っており、年間14億個を超える貨物の追跡システムをはじめとした各種システムの開発・設計、保守・運用を行うシステムインテグレーション事業を中心に、物流ITのコンサルティング事業、バックオフィス系のBPO事業、総務・経理業務などのシェアード事業、代金引換サービスをはじめとした決済事業を展開しグループ内外の顧客に提供している。

同社が所属するSGホールディングスグループでは、デリバリー事業をはじめ、ロジスティクス事業、不動産事業などグループ各社の事業を組み合わせることで、荷主に対して効率的な物流を提案している。そのためグループ企業を横断する営業活動を支える営業管理システムを長年運用してきたが、基盤そのものの経年劣化とともに、事業拡大に伴うシステムのリソース不足の課題が顕在化。本来、営業担当者の活動として重要な商談時間や接客時間が見積もり作成のための入力作業や必要情報の共有に圧迫されていたという。

そこで、システム利用者に提供するUI/UXや開発の容易性はもちろん、開発の容易性や内製化による開発スピードの向上やコストパフォーマンスを評価し、営業管理システムの基盤としてkintone導入を決断。kintoneでグループ会社の情報を共有することで案件管理業務の省力化や作業時間の短縮を実現し、周辺システムとの連携による情報伝達のスピードアップやスマートフォンを活用した移動時間の有効利用など、さまざまな効果を得ることに成功したという。

その一方で、営業担当者にチームや組織の売上予測や実績集計などのレポートを提供するバックオフィス業務はまだ手作業で行われており、業務負担が大きなものとなっていた。

営業支援のための各種帳票が70種類ほどあり、手作業での集計やレポート作成に多くの時間がかかっていたのです」と金澤氏は当時を振り返る。

取締役 田尻 孔徳様
金澤 直樹様
SI第2事業部 部長
営業担当者の案件管理はkintone化できたが、レポート作成担当者の負担軽減が課題
▲ 営業担当者の案件管理はkintone化できたが、レポート作成担当者の負担軽減が課題

【選定】kintone内で帳票確認が容易なkrewDashboardに注目、簡易BI的な機能を評価

営業支援帳票(レポート)の作成は、グループ会社ごとに在籍するバックオフィス業務の担当者が作成しているが、その負担について山元氏は「日次の帳票はもちろん、週次や月次のタイミングで売上実績や予測推移などの帳票作成を行っており、帳票作成の遅れが営業活動の停滞を招くこともありました。kintone内の情報だけでなく、旧システムからCSVで出力した情報や、システム担当者に依頼しないと入手できない情報も含めて集約し、Excelマクロなどの属人的なツールで処理していたためです。こうした手作業による業務を簡素化し、営業部門にいち早く開示できる仕組みを探していたのです」と説明する。

当初はグループ内で利用しているBIツールを活用することも検討されたが、ITリテラシーの差がある営業担当者に新たなツールを使ってもらうことの負担も考慮し、kintoneを開くだけで各種の帳票を確認できるものが必要だった。そこで注目したのが、kintone導入当初に支援を行ったディベロッパーから現場でも扱える簡易BIとして紹介を受けたkrewDashboardだった。

SI第2事業部 グループシステム第3ユニット
                                    ラインチーフ 山元宏之様
山元宏之様
SI第2事業部
グループシステム第3ユニット ラインチーフ

「導入事例やホームページにある情報からデータの可視化に役立つツールを探していたので、krewシリーズが持つ可能性については意識していました。なかでも、krewDashboardは営業担当者が求める情報を自由なタイミングで確認でき、必要な情報だけを抽出して把握できることに魅力を感じたのです」と山元氏。

さらに、krewDashboardに表示するためにkintone内のデータを処理するツールとして、アプリ間の情報を取得して加工・集計ができるkrewDataについても評価した結果、グループ全体に提供する営業管理システムにおけるkintoneプラグインとして、krewDashboardおよびkrewDataの採用が決定した。

【効果】データ集計に活躍するkrewData、迅速な数字の見える化に役立つkrewDashboard

■ 営業管理に必要な各種帳票をダッシュボード化、ポータル画面への埋め込みも実施

kintoneにより構築された営業管理システムは、現在400名を超えるグループ6社の営業担当者が活用しており、PCやスマートフォンで商談情報の入力や情報共有を実現。案件管理をはじめ、活動報告や見積書管理、週次報告、ナレッジが蓄積された商材お役立ち情報といった営業活動において必要な機能をkintoneアプリ化している。

krewについては、krewDataにて各アプリからの情報を収集して日次や週次、月次で各種帳票をkrewDashboardにて可視化している。krewDataで作成されたフローは30ほどあり、帳票以外にもkintoneの別アプリにまとめて出力するなど、その活用範囲が広がっている状況だ。

krewDashboardによる帳票は、個人別の売上達成順位や支店ごとの売上予実管理、営業エリアごとの営業活動管理、案件全体の状況管理などが簡単に見える化できるようになっており、営業管理者や担当者含めていつでも確認できる形だ。

「各種営業活動の状況を可視化しており、営業個人の評価にもつなげています。又、商談ごとにその状況が週次や月次で確認できるため、営業管理者がひと目で営業活動の状況を把握し、全体の分析に役立つようにしています。」とハン氏。

停滞案件のリストなどを見れば、しばらく動いていない案件が一覧で可視化でき、必要に応じて管理者がアドバイスできるような環境にもなっている。

また、メンバーがkintoneにアクセスしたポータル画面上にkrewDashboardを埋め込むことで、kintoneアプリを開かずとも、自分が所属するチームの成績や案件の進捗状況などがグラフ化された形で可視化できるような工夫も凝らしている。

SI第2事業部 グループシステム第3ユニット ジュニアスペシャリスト グエン トウック ジウ ハン様
グエン トウック ジウ ハン様
SI第2事業部
グループシステム第3ユニット
ジュニアスペシャリスト
実績データをkintoneに取り込み、krewDataで前処理、krewDashboardで可視化
▲ 実績データをkintoneに取り込み、krewDataで前処理、krewDashboardで可視化
■ 案件対応数や商談時間の向上を実現、数字の視覚化で営業活動のドライブを促進

今回kintoneおよびkrewシリーズにて営業管理システムを刷新し、情報共有やスマートフォン活用、そしてグラフによる情報の迅速な可視化が可能になったことで、バックオフィス担当の事務作業時間を大きく削減することに成功している。一人あたりの案件対応件数は1.7倍に増加、素早く現状の商談率などの情報がグラフを通じて各営業担当者へ通知できるようになったことで商談時間を増やし、全体の接客率を20%向上させることも実現したという。

特にkintoneへの入力方法を統一したことで、きちんとした数字が現場から上がってくるようになり、属人的な集計作業からも脱却できたことで、グループ各社で同じ基準の数字をベースに議論ができるようになった点が大きいという。

「実績報告の仕方をグループ各社で共通化を実現することができました。ルール化は以前から行っていましたが、システムで枠組を作っておくことで、統制のとれた形で売上情報を把握できるようになりました。数字の確認作業などバックオフィス業務の負担も軽減できたことは大きな効果です」と山元氏は評価する。

視覚的に数字が把握しやすくなったことは、経営層からも高く評価されているポイントだ。

支店ごとの売上予実管理ダッシュボード。データはkrewDataで集計しkrewDashboardに表示
▲ 支店ごとの売上予実管理ダッシュボード。データはkrewDataで集計しkrewDashboardに表示

「本システムの導入検討段階で経営陣にシステム説明をした際に、視覚的に数字が判断できる点はとても高い評価でした。また、日々担当者を見ている管理者層からも、追いかけるべきKPIが一目で可視化できるため、とても役立っていると好評です。一方で、柔軟な仕組みであるがゆえに、営業担当者の入力負担が増えてしまう部分もありますが、数字が見える化できたことで営業担当者の行動指針が明確になってくることは評価できるポイントです」と金澤氏は評価する。

案件全体の状況管理ダッシュボード
▲ 案件全体の状況管理ダッシュボード
営業エリアごとの営業活動管理
▲ 営業エリアごとの営業活動管理

アプリ間のデータを集計する際に役立っているkrewDataについては、カスタマイズのためのコードを記述せずともコマンドを組み合わせていくだけで必要な処理が実装できるなど、直感的にフローが作成できる使い勝手の高さを評価する。

「kintoneの標準機能では、いろんなアプリをまたがってのデータ処理は非常に困難なため、今ではkrewDataがないと困る場面も少なくありません。現状では、営業の数字管理以外にも、保守業務や顧客向けの情報提供の際にもkrewDataを活用するようになっています」とハン氏。krewDashboardについては、Excelでグラフを作成するのと同じ感覚で利用できるようになっており、誰でもすぐに使いこなせると評価する。不明点があってもグレープシティのホームページ上に公開されているチュートリアルを参考しながら、簡単に作っていくことができると好評だ。

krewシリーズを提供するグレープシティについては、問い合わせに対するレスポンスがよく、対策についての回答も明確で、非常に助かることが多かったという。

「直接問い合わせをする機会も何度かありましたが、はっきりと回答いただき、手順も分かりやすく紹介いただくことができました。特にkrewDataについてはデータ編集フローの設定とサンプルデータを用いて詳細な改善点を提案してもらうなど、とても助けていただけて感謝しています」と包氏。

SI第2事業部 グループシステム第3ユニット 包 暁艶(ほう ぎょうえん)様
包 暁艶(ほう ぎょうえん)様
SI第2事業部
グループシステム第3ユニット

山元氏も、「対応スピードが求められる中、問い合わせのレスポンスの速さや実装の容易性など、我々にとって非常に使いやすいソリューションとなっています」と評価する。

■ グループ企業固有の、営業管理以外の用途にも拡充、各事業会社への提案も進めたい

現在は、営業管理領域でkintoneおよびkrewシリーズを活用しているが、グループ会社ごとに事業内容が異なっていることもあり、その固有業務に関しての展開について期待が寄せられているという。

「すでに現場からの相談に応じて、導入検討に入っている業務もあります。各社ならではの業態に応じて、グループのITを担う企業としてシステム提案を行い、引き続きグループを支援していきたい」と山元氏。

例えば各社が保有する資産を管理する仕組みや、商品バーコードと商品を紐づけて管理する仕組みなど、情報管理の基盤としての希望も多く寄せられており、ライセンスの拡充も含めて検討していきたい考えだ。

また現場ではExcelをベースに業務を動かしているところも多くあるため、その環境を維持したままkintoneに移行しやすいよう、 Excelライクなスプレッドシートを提供するkrewSheetについても要望に応じて検討していきたいという。

kintone自体はグループ会社の中に、個別に採用している企業もあるが、アプリ開発を技術的に理解している人材が現場に少ないため、SGシステムが本格的に踏み込んでサポートしていくことも念頭に置いているという。

「トランザクションの多い基幹システムをkintoneに置き換えることは難しいのですが、データ入力の仕組みや現場の周辺業務を手軽に管理したい部分にはkintoneはとても適しています。データ集計としてのkrewDataやアウトプットしてのkrewDashboardは開発生産性が高く、情報の見える化に大いに役立っています。グループ会社の中で同様の話があれば、実績としてkintoneおよびkrewシリーズが紹介できますし、こちらからも積極的に提案していけるような環境をさらに推し進めていきたい」と金澤氏に今後について語っていただいた。