導入事例
JBCC株式会社様
業種:情報通信業
部署:全社
利用用途:情報管理基盤
使用製品:krewSheet / krewData / krewDashboard
※ 事例記事の内容や所属は取材当時のものです。
グループ合わせて2,000名の業務基盤として活用
現場へのkintone展開に大きな効果を発揮するkrewシリーズ
企業のDX推進を強力に支援しているJBCC株式会社では、社内の業務基盤として利用してきたNotesの移行に際して、顧客へのDX支援ツールとして提供していたkintoneを社内に展開、現場への浸透に欠かせないプラグインとしてkrewシリーズを導入している。その経緯について、ソリューション事業 マーケティング本部 和田 萌希氏、ハイブリッドクラウド事業部 kintoneソムリエ 宮田 悠登氏および同事業部 伊藤 海氏、そしてJBサービス株式会社 サービスソリューション営業事業部 丹羽 玲子氏にお話を伺った。
【課題】メンテナンスが属人化し、周辺業務への対応もできなかった既存の情報共有基盤の移行課題
「創り出そう、躍動する社会を。挑戦しよう、技術とともに。」をビジョンに掲げ、企業のDXを支援しているJBCC株式会社。現在は新・中期経営計画「CHALLENGE 2026」に取り組んでおり、クラウド・セキュリティ・超高速開発という3つの注力事業に、データ&AIの活用による新たな価値創造を推進。ITサービス体系である「HARMONIZE 2.0」を武器に、企業のDXを加速させるために必要な各種サービスやソリューションを提供しており、顧客の成功や社会の発展、そしてIT業界の変革に貢献する価値創造型企業として挑戦し続けている。
同社では、2002年よりサイボウズのオフィシャルパートナーとして多くの顧客にサイボウズGaroonやkintoneを提供しており、導入実績は700社以上、kintoneに至っては4万ユーザーを超える顧客に業務改善提案から運用支援までを行ってきた経緯がある。
「継続的にサイボウズからの表彰を受けているだけでなく、グループ2,000名を超える規模でGaroonおよびkintoneを活用していることをショーケースとして、ユーザーの目線でお客さまに最適な環境づくりを支援できることが大きな強みとなっています」と説明するのは和田氏だ。
なかでもkintoneに関しては、年間100件以上のワークショップを開催している“kintoneソムリエ”と呼ばれるスペシャリストがおり、顧客に合わせたハンズオンやサンプルアプリの提供、プラグイン提案など手厚い支援を行っている。
同社が社内の業務基盤としてkintone導入を進めたきっかけとなったのが、以前から利用してきたNotesからの脱却だった。長年NotesDBを駆使してワークフロー含めた業務基盤をNotesにて整備してきたが、ライセンス更新のタイミングで課題解決に向けた環境整備を計画したという。
「属人的な開発を続けたため、改修や機能追加のために専門性が必要だったNotesだけに、周辺業務は使い勝手のいいExcelを活用する場面も多く、うまく業務が連携できていないという課題が顕在化していました。そこで、Notesに代わる新たな業務基盤を模索することになったのです」と宮田氏は説明する。
すでに顧客向けにkintoneを提供しており、グループ会社でも個別にkintoneを活用していたことから、社内での知見を獲得するためにもkintoneをベースに業務基盤の刷新を考えたのだ。
「私が所属するJBサービスでは、シンプルに使いやすい業務基盤としてkintone導入をいち早く進めており、現場としてはすでに定着していました。顧客への提供も進めているkintoneをグループ全体の業務基盤として導入しようという機運が高まったのです」と丹羽氏は当時を振り返る。
【選定】顧客ニーズの強いkrewシリーズ、社内ニーズにも応えるために必要不可欠だった
新たな環境づくりにおいては、社内におけるDX推進の方向性とともに、プラグインの導入ルールを設定し、販売するものと現場にとって使いやすいもの双方の観点からプラグインを選定し、基盤として用意することを検討。複数のプラグインを選定するなか、グループ会社のJBアドバンスト・テクノロジーが提供するプラグインセット「ATTAZoo+(アッタゾー プラス)」とともに注目したものの1つが、メシウスが提供するkrewシリーズだった。
もともと顧客に対して最適なUXを提供する意味で、kintoneとExcelライクなkrewSheetの組み合わせを顧客に数多く提供していたため、当初からkrewシリーズは注目されていた。
「kintone標準では表現できないグラフが簡単に作成できるkrewDashboardとともに、Excelに慣れ親しんだ現場に対して同様のインターフェースや使い勝手が提供できるkrewSheetが、提供するお客さまだけでなく我々社内のニーズとしても強かったのです」と和田氏は語る。
プラグイン選定に関しては、提供元として資本的に十分な基盤を持っていることが条件の1つ。
「我々が一緒に販売していくものでもあるため、プラグイン提供元として信頼できるかどうかは重要な要素でした。メシウスは事業基盤もしっかりしていて、何よりもスプレッドシート形式のプラグインといえば、krewシリーズが定番であることは疑いようがない」と和田氏。
ただし、kintoneへの移行当初は予算の関係もあってすぐにkrewシリーズが導入できない状況だったが、現場の声の高まりとともに、krewシリーズを再度検討し、最終的にkintone利用にあたっての有力なプラグインとして、krewシリーズが選択されることになったのだ。
【効果】kintoneを現場に展開するために重要な役割を果たすkrewシリーズ
■ 情報の更新が必要なアプリにkrewSheetを活用、数字の可視化にkrewDashboardが貢献
現在は、複数ドメインに分かれているもののグループ全体で2,000名ほどがkintoneを利用しており、グループ全体で利用しているドメインだけでも650を超えるkintoneアプリを運用している。具体的には、2023年に東京・八重洲に本社を移転した際にペーパーレスを推進するべく、各種申請承認や領収書添付など全社的なワークフローとして活用しており、案件管理やリード管理など営業・マーケティング系の部門でも積極的に利用。他にも、総務部門で利用する配送物管理や人事部門で活用している資格取得管理、経理部門では自部門に寄せられた問い合わせの管理や工数管理などもkintoneでアプリ化されている。なお、アプリの開発権限は現場も持ち合わせており、アプリを制作してリリースする前に申請を行う形で運用している。
krewシリーズについては、情報の更新メンテナンスが発生するようなアプリを中心に適用しており、売上活動の件数や顧客アンケートの結果、開催したセミナーの利用者推移を経年で見るといった数字の可視化にkrewDashboardが活用されている状況だ。ちなみにkrewDataも契約済みだが、展開はこれからの予定となっている。
具体的なkrewシリーズの活用例では、リード情報に関する進捗管理アプリ使われているkrewSheetがその一例だ。kintoneのレコードから情報がメンテナンスしづらいこともあり、krewSheetに一覧を表示して、進捗状況の変化をマーケティング部門から営業にお願いするといったことに使われている。
「kintone上で情報を確認する習慣にはなっていますが、情報の更新などは1つずつレコードを開く手間もあるため、krewSheetで更新しやすいよう情報提供するといった使い方が多くなってきています」と宮田氏。
グループ会社のJBサービスでは、インサイドセールス領域でkintoneを活用している。獲得したリードに対して企業マスターへの登録から進捗状況を管理するリード管理、そして案件化した場合は案件管理に情報が遷移することで、リードから受注までのプロセスをkintoneで全て管理し、情報の更新などにkrewSheetが活用されている。
「以前はExcelで案件管理を行っていましたが、現在は全てkintoneとkrewSheetにて実装しています。案件ごとに提供しているサービス種別などはチェックボックスで選択できるようにしており、売上や粗利など数字についても全てkrewSheetに入力してもらうことで、営業メンバーにも情報を更新してもらいやすくなりました」と丹羽氏。
顧客への提案活動時にkintoneを利用する伊藤氏は、顧客への入りやすさがkrewSheetの魅力の1つだという。
「社内にもExcelの見た目が欲しいというニーズがあるのと同様、お客さまも同様のことを感じています。確かにカード型DBというkintoneの性質から、ルックアップなどで情報は取得できますが、予実管理など集計が必要なところには対応しづらい。そこではkrewDataがとてもニーズにマッチして、マスト要件になるケースが正直多い」と営業場面の状況について語る。
また、宮田氏は「入口にkrewSheetで入力して経営層にはkrewDashboardにて見てもらい、最終的にはGaroonのポータルに出したいといった話はよく聞きます。基幹システムの情報をkintoneにて取得してkrewDataで集計し、予実の数字をkrewDashboardで表現するなど、お客さまの課題にkrewシリーズが応えやすい」と評価する。
■ 業務の効率化を実現、文系出身のメンバーでも十分習得できるkrewシリーズ
krewシリーズを展開したことで、例えば営業会議の場面で使っていたExcelからkrewSheetに切り替えたことで、その場で集計含めて数字がフィックスできるなど、業務の効率化につながっている場面は少なくないという。
「常に最新の正しい情報がkrewSheetに展開されているため、集計ミスも発生することもありません。以前は会議中に指摘を受けた部分のExcelを営業担当者それぞれがメンテナンスしていましたが、今はkrewSheetで会議中でも容易に修正できます。定量的には見ていませんが、確実に時間削減につながっています」と丹羽氏は評価する。
kintoneに対して苦手意識を持っていた社員に個別にExcelにて情報を提供していたこともあったが、今ではkrewSheet上にてメンテナンスしてもらえるようになるなど、意識改革のツールとしてもkrewSheetが活躍しているという。
「単なるリストだけでなく、アンケートに寄せられた情報も関連シートを通じて他のアプリの情報が1つのkrewSheetで閲覧できるようになっています。Excelのように使えることで、kintoneへの親近感が増したようで、苦手意識を持っていた社員が情報を入れてくれるようになったのは大きい」と和田氏。
DXが持つ本質的な価値を発揮するためにも、krewシリーズは重要だと宮田氏は力説する。
「DBであるkintoneでデータ活用するには、データ投入の入口となるアプローチ方法はとても重要です。特に営業場面では役員にそれを見せることが大切で、柔軟にシステムを変えていけるかどうかが、現場に活用を促すDXの本質につながってくる。とはいえ、懇切丁寧に教育していくのではコストがかかるため、提案コストを下げていくことも含めてkrewシリーズの存在は大きい」。
伊藤氏は新卒2年目のキャリアだが、社内にあるExcelに触れるたびに一覧で表現できるビューのすばらしさを実感するという。
「kintoneの利用も多いですが、一覧性の高さや編集のしやすさなどExcelが持つ完成度の高さを最近になって理解してきました。それが再現できるkrewSheetはとても魅力的です。また、krewDataは構造を理解するまでに時間がかかりましたが、設定ベースでコード不要ですし、視覚的にフローをつなげていくことで理解の速度は早まりました。文系の出身でプログラミングの知識がない私でも十分習得できる強みは感じています」と評価した。
■ 社内への啓蒙活動とともに、kintoneとkrewシリーズ用途をさらに拡張させたい
現在は、社内である程度自由にkintoneやkrewシリーズをはじめとしたプラグインが活用できる環境があるが、まだ十分知らいないメンバーにはハードルの高さが残っている。特にさまざまなソリューションを扱っているだけに、事業部門ごとに環境が業務基盤の違いがあるなど同社ならではの事情もある。それでも、業務基盤としてのkintoneおよびkrewシリーズの展開をさらに加速させていきたいと意欲的だ。
「krewシリーズを使えばこんな世界が実現できるといったプロモーション活動は、これからもしっかりやっていく必要があります」と宮田氏。社内にさらに浸透させていくことで、いずれはDX人材の育成に役立つツールへと成長させていくことも視野に入れている。
krewシリーズについては、kintoneを現場に浸透させていくために大いに役立っており、今後も積極的に活用していきたいという。
「マーケティングの観点では、すでに資料ダウンロードの件数や問い合わせ内容なども全てkintoneに情報が集約されています。お客さまの行動分析やMAツールとの連携など、より活用の幅を広げていきたい」と和田氏に今後について語っていただいた。