導入事例

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株式会社コロプラ様

業種:
生活関連サービス業・娯楽業

利用用途:
商品管理・発注管理

使用製品:
krewSheet・krewData

株式会社コロプラ メインビジュアル

事例公開日:2019年10月23日

※ 事例記事の内容や所属は取材当時のものです。

※ 現在、krewの運用は事業部の子会社への事業承継に伴い、株式会社MAGES様に移管しています。

商品コード発番など関数を使った業務をkintone上で可能に
商品管理に欠かせないkrewシリーズ

スマートフォンアプリを中心とした国内・海外向けモバイルゲームサービスを提供している株式会社コロプラでは、展開するIPコンテンツをさまざまな形にグッズ化して提供しているが、このグッズ販売における発注から出荷に至る商品管理業務にサイボウズのkintoneを活用、バーコード発番や複数アプリ内の情報を効率よく集計するためにグレープシティの「krewSheet」および「krewData」を活用している。krewシリーズ活用に至った背景について、インキュベーション本部 IP事業部 商品開発グループマネージャー 江頭 花恵氏、同グループ 中尾 康裕氏、同グループ 加藤 真樹子氏および田﨑 絵里香氏にお話を伺った。

【課題】自社で開発販売するグッズの商品管理業務に課題

ゲームサービスの提供だけでなくグッズ販売にも注力

「Entertainment in Real Life ~エンターテインメントで日常をより楽しく、より素晴らしく~」を経営理念に据え、スマートフォンアプリを中心としたモバイルゲームサービスを提供している株式会社コロプラ。2003年に位置情報ゲームの提供からスタートし、2008年に会社を設立。「白猫プロジェクト」など主力IP(Intellectual Property:キャラクターなどの知的財産のこと)を用いたコンテンツ展開のみならず、他社IPも活用したアプリケーション開発を手掛けている。また、VR専用のゲームアプリによる新たな市場開拓を行いながら、日本の逸品を取り扱う全国の店舗、鉄道会社、宿泊施設、百貨店などオフライン事業者と連携したO2O(Online to Offline)ビジネスにも積極的に取り組むなど、新しいエンターテインメントの可能性を追求し続けている。

そんな同社では、ゲームを中心に展開するIPコンテンツをフル活用し、キーホルダーや缶バッジ、文房具、ポスター、アパレル商品、フィギュアなどさまざまなグッズを販売している。商品開発グループでマネージャーを務める江頭氏は「インターネット上での販売はもちろん、小売事業者と連携することで実店舗での販売も行っています。また、我々が自ら運営するカフェを通じてグッズを販売するなど、さまざまな販路で自社制作のグッズを展開しています」と事業部の役割について説明する。

商品開発グループ マネージャー 江頭 花恵様
江頭 花恵様
商品開発グループ マネージャー
情報の転記によるミスや履歴管理など商品管理業務に課題

このグッズの開発から製造、検品、納品まで含めた商品管理業務は、これまでGoogle スプレッドシートを利用して行われていた。また、チャットツールなどで寄せられた、部内から外注先への発注依頼を、Excelで作成された発注書に転記してメール添付にて送付するなど、さまざまなツールを駆使して商品販売までの業務プロセスを管理してきた。「それぞれの仕組みが連携していないため何度も情報を転記する必要があり、一部変更が発生すると全てのプロセスで再入力せざるを得ない場面も。本来手順を踏むべきプロセスが抜け落ちてしまうといった履歴管理も十分でないばかりか、転記ミスのリスクなど商品管理業務に多くの課題があったのです」と加藤氏は当時を振り返る。

同グループ 加藤 真樹子様
加藤 真樹子様
同グループ

【導入】関数が利用できる「krewSheet」がkintone活用には必須だった

そこで、Google スプレッドシートやExcelに代わる新たな基盤を検討することになるが、そこで耳にしたのがサイボウズの提供するkintoneだった。コロプラの場合、販売形態の変化や新規商材の追加などが頻繁に発生するため、システム経験のなかった加藤氏でも機能拡張や項目追加が柔軟に行えることに魅力を感じたという。「売り方に応じて単品商品をセット商品に変更するといった販売形態の変更が頻繁に行われるため、変化への柔軟な対応が必須でした。kintoneであれば自分たちでも項目追加が容易ですし、商品発注から納品までの業務プロセスもしっかり管理できる。一度入力した情報を活用することで転記ミスも撲滅できるなど、業務の効率化にもつながると考えたのです」と加藤氏。

ただし、kintoneの標準機能だけでは十分でない面もあった。これまではExcelの関数を利用して商品コードの生成を行っていたため、kintoneの標準機能だけでは既存運用を再現することは難しい状況だったのだ。そこで紹介を受けたのが、kintoneのプラグインとしてグレープシティが提供していた「krewSheet」だったという。「システム会社の方に相談したところ、プラグインとしてExcelの関数が利用できるkrewSheetを紹介いただきました。従来の運用同様に、Excelライクなインターフェースが利用できる点も高く評価したのです」と加藤氏。

また、販売経路ごとに登録される商品を集めてマスター化したり、発注した商品を検収したうえで費用計上するために必要な情報を各アプリから集計したりといった業務を円滑に行うべく、krewSheet導入後にリリースされた「krewData」も併せて採用。今では複数アプリ内の情報を集計するなどさまざまな業務に活用している状況だ。

【導入効果】業務に不可欠な情報集計や関数利用はkrewシリーズだからできたこと

kintone + krewの導入により効率化された商品管理業務
kintone + krewの導入により効率化された商品管理業務
グッズの発注から出荷、費用計上に至る商品管理業務のプロセス全体を円滑に管理

現在は、グッズの発注から出荷に至る業務を管理するために商品管理アプリを運用する商品開発グループのメンバーをはじめ、販売チャネルごとの出荷管理を行う各担当者など、10名ほどがkintoneおよびkrewシリーズを活用している。

業務の中心となる商品管理アプリは、同社が販売元として直接販売する商品をはじめ、再販売に向けた再製造時の商品、委託販売を行っている商品など、商品発送までのプロセスが異なるものごとに商品管理アプリを個別に運用している。そのアプリ内では、商品コード発番も含めた商品管理をkrewSheetで行っており、基幹システムに登録すべき商品マスターの情報については、krewSheetを用いてアップロードに必要な形式に変換したうえでCSVにてエクスポートし、基幹システムに反映させている。「商品管理アプリにて商品や商品コードが新たに登録された時点でkrewDataにて集約し、商品コードマスターとして管理しています。」

商品コード発番など業務に必須の機能はkrewシリーズだからこそ実現

商品コードの発番では、事業者コードや商品アイテムコードなどをもとにkrewSheetの関数にてチェックデジットを生成し、商品ごとのJANコードを作り出している。商品については、同じ商品ながら販売形態によって商品コードが異なっており、それぞれを区分けするために商品コードが必要になる。「同一商品ながら異なるパッケージが存在していたり、セット販売されていた商品を単品に切り出したりするなど、販売形態の変更が頻繁に発生します。その都度コード発番が必要になるため、krewSheet上で計算を行ったうえで発番しています」と加藤氏は説明する

krewSheetの関数を使って商品コードを発番
krewSheetの関数を使って商品コードを発番

また商品管理のプロセスにおいては、発注稟議や納品された商品の検収予定日、商品制作を委託しているメーカー一覧などがそれぞれ個別のアプリで管理されている。検収日がリスト化されたアプリ上で検収時にチェックを行うと、krewDataを使ってそれら複数アプリから情報を収集、その月にどの企業に対していくら支払いが必要なのかといった費用計上時に求められる各種情報が自動的に生成され、費用計上アプリ内のレコードが作成されるようになっている。さらに、商品スケジュールアプリでは、商品ごとの納品日や抜き取り検査の日付が管理され、発売日、ECの場合は受注可能期間、出荷日などもそれぞれ管理されている。それらをkrewDataにて全て集計し、個別のガントチャートプラグインにてカレンダー表示を行っている。「krewDataを使って個別アプリ上にある情報を収集して集計しています」と田﨑氏は語る。

同グループ 田﨑 絵里香氏
田﨑 絵里香様
同グループ

同社では、制作された商品の抜き取り検査を外部に委託しているが、その検査情報を共有するアプリでもkrewSheetの関数を利用して荷姿単位を変換し、入庫単位をコントロールしながら入庫登録できるような運用を行っている。「制作された単品の商品数によって特定のロジックで検査のための抜き取り数が決定されますが、商品を入庫する際にはボックスやカートンといった出荷先に応じた単位に集約されます。この計算にkrewSheetが利用されています。また、委託先が検査用のアプリに検査結果を入力しますが、その集計業務にkrewDataが活用されています」と加藤氏。

管理対象が倍増、費用計上も数分で完了、業務の効率化に貢献

今回kintoneおよびkrewシリーズを導入したことで、管理にて利用していたツールが4分の1程度に圧縮でき、転記ミスなどのリスク軽減にも大きく役立っている。加藤氏自身が管理している品番も倍以上増やすことに成功しており、発注書の送付など新たな業務も対応できるようになったという。以前は1つの売上伝票を作成するのに数日を要していたこともあったが、今では数分で完了できるようになっているという。また、周辺システムのフォーマットに合わせて、項目変更などエクスポートしやすい形に加工しています。

普段kintoneを利用している中尾氏は「商品を1つ作る際に、この業務管理アプリを使って最後の納品まで持っていくことができます。以前のようなスプレッドシートの使い勝手はそのままに、情報が点在せずに1つのアプリで完結できます」と語る。田﨑氏も「全ての情報がkintoneおよびkrewSheet上に集まっているため、情報も探しやすい。知っている関数を入れればそれが反映されるため、本当にExcelのように利用できる」と語る。必要に応じて行を追加変更したり、色を変えて可視化しやすくしたりなどしている。

同グループ 中尾 康裕氏
中尾 康裕様
同グループ
アイデアが膨らむkrewData、今後は在庫管理まで機能を拡張したい

実際にkrewDataを使ってフローを作成している加藤氏だが、今ではパズルのように楽しみながら組み立てていけるようになっているという。「最初から作れたわけでありませんが、カスタマーサポートに何度もメールで相談しているうちに使い慣れていきました。複製なども容易で、やり直しもしやすい。どんどんアイデアが膨らんでいく感じです」と加藤氏は語る。特にkrewDataについては、実際の処理が可視化できるため、どんな処理が行われているのかが第三者から見ても分かりやすい。「プレビューでもすぐに結果が分かりますし、おかしい部分があればすぐに気づくことができる点も作りやすさのポイントです」と語る。なお、krewDataではサンプルのフロー図を提供するなど手厚いサポートも行っている。

現在は商品の発注から費用計上までの一連の流れが管理できているが、例えば在庫管理などの面では十分に実現できていない面もあるため、今後はさらに機能を拡張していきたいと加藤氏は意欲的に語る。「受注管理をkintoneやkrewシリーズを利用して管理していくことで、月別の売上や販売数量、在庫数、商品消化率といったものものがkrewDataなどですぐに集計でき、商品マスターなどに反映できれば使い勝手はさらに高まるはず」と期待を寄せている。